2017-10

サナダムシ?

 ご相談がありました。

1) トイレに行ったら長さ数cm、幅5-8mmほどのムシが出て来た
2) そのムシは節があって、動いていた
3) 自覚症状は特になし
4) 数週間前に牛の生レバー(レバ刺し)を食べた
5) 海外渡航はしていない
            とのこと。

いろいろ考えて・・・
A) 無鉤条虫(ウシ)、有鉤条虫(ブタ)、広節裂頭条虫(サケ、マス)・・カッコは中間宿主
B) 広節裂頭条虫は片節が連なって排泄されることが多いが、無鉤条虫や有鉤条虫は数個の片節 (数cm) がちぎれてでてくる
C) 無鉤条虫の片節はよく動く、有鉤条虫の片節はあまり動かない

 以上の理由から無鉤条虫(カギナシサナダムシ)の可能性が高いこと。また、確定診断には頭節や片節の確認が必要であること。駆虫薬のプラジカンテルは無鉤条虫症や広節裂頭条症に対して保険適用になっておらず、治療費が高くなることを説明させていただきました(プラジカンテルは吸虫症薬として保険適用あり)。

Taenia_saginata_adult_5260_lores.jpg
無鉤条虫(Wikipedia:http://en.wikipedia.org/wiki/Taenia_saginata より)

 昨年7月に腸管出血性大腸菌感染症への対策として、牛のレバーを生食用として販売・提供することが禁止されました。
 厚生労働省は腸管出血性大腸菌のみを大きく問題にしています。しかし、レバーや肉の生食においては、カンピロバクター等の他の細菌性食中毒や寄生虫症、さらにはトキソプラズマ症など母子感染症の原因になりうることも意識しておくべきです。
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コメント

牛の生レバー?

ツイッターで紹介を見て,こちらに参りました。
峰松様の書かれたとおり,牛の生レバーの販売・提供は禁止のはずですが,相談者が食べたのは牛だったのでしょうか? 牛の代わりに豚レバーを出す所もあるようなので,だとしたら,最近現れたアジア条虫の可能性もあるかも知れません。治療法は同じですが。有鉤条虫は,怖いのであまり考えたくありません。

  プラジカンテルは有鉤条虫に対して禁忌薬です。治療のことも考慮して、豚の生肉・レバーは食べていらっしゃらないことを念を入れて確認させてもらいました。相談者は焼肉用に販売されていた牛レバー(スライス)を自宅で生食されたとのことでした。

 有鉤嚢虫症はやはり怖いですね。イスラム教徒が豚を食べない理由が分かる気がします。

食肉は是非加熱を

峰松先生,お返事ありがとうございます。
患者さんが自己判断で食べてしまわれた,という事ですね。
牛からは非常に低率ですが,国内でも今も無鉤嚢虫が検出されるようです。
厚労省が生食禁止の理由として,無鉤条虫を挙げていませんが,
これも含めて欲しいところです。トキソプラズマについても心配なので,肉も内臓も全て加熱調理するよう,広報して欲しいですね。

コメントの「治療法は同じ」というのはアジア条虫のことです。
紛らわしくて申し訳ありません。

機会がございましたら,またよろしくお願い申し上げます。

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