2017-06

風しんウイルスー胎児検体の検査の時期

 最近、先天性風しん症候群に関するウイルスの検査の依頼が増えてきました。現在の風しんの流行の影響を感じています。

  先日、サイトメガロウイルス(CMV)の羊水検査時期を記載したところ、『風しんウイルスではどうなの?』とのご質問をいただきました。

 そこで、風しんウイルスの感染動態を簡単に作図しました。

風しんウイルス胎児感染

 風しんウイルスが母体に感染してから、母体がウイルス血症になるまで1週間、母体に発疹等の典型的な症状が出現するまで2週間かかります。母体が発症した時点では、まだ胎盤絨毛に風しんウイルス核酸は検出されません。
 胎盤絨毛に風しんウイルス核酸が検出されるようになるのは、母体の感染から3週間以上経ってから、母体の発症(発疹出現)から約10日後です。
 さらに、胎児の各組織で風しんウイルス核酸が検出されるのは母体の感染から40日後、母体の発症から約4週間後です。

 私の経験や海外文献からは、母体の感染から6週間以降(発症から4週間以降)に羊水を採取し、それを検体とした感度は約90%くらいです。しかし、母体の発症から早期に羊水検査を実施すると、ウイルス検出率は低くなります。
 日本での研究において、羊水の感度はそれほど高くないと言われることがあります。ひょっとしたら、日本では早期に羊水検査を実施する傾向があるのかもしれません。

 なお、先天性風しん症候群の検査において、海外文献で推奨される羊水検体の検査時期は、
母体の風しん発症から・・・
  少なくとも8週間後、かつ妊娠15週以降
  必要であれば、妊娠22〜23週に再検査

となっています。

 風しんに罹患した妊婦さんおよび医療関係者は、胎児が感染しているかをすぐにでも知りたいことでしょう。しかし、(母体保護法を考慮したうえで)検査に適した時期まで、あるいは検査として待てる時期まで待ってください。

検査する立場側からのお願いでした。
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