2017-10

日本語がない痘瘡根絶宣言書

 人類が医学的に根絶できた唯一の病原体に痘瘡ウイルスがあります。その感染による痘瘡(天然痘)は全身に膿疱が生じ、出血熱の病態となり、致死率が40%前後にも達する伝染病でした。

 1798年にEdward Jenner(エドワード・ジェンナー)が天然痘ワクチンを開発し、接種者の間で流行が消失しました。
 1967年から世界保健機構(WHO)が天然痘ワクチンを利用した「世界痘瘡根絶計画」を展開すると、約10年で痘瘡患者が報告されなくなり、1980年5月8日に痘瘡根絶宣言が発表されました。

痘瘡根絶宣言書
↑ 痘瘡根絶宣言書
(国立予防衛生研究所(現 国立感染症研究所)の多ヶ谷 勇先生の署名が右側にあります。)

 さて、痘瘡根絶宣言書に表記されている言語は、アラビア語、英語、フランス語、スペイン語、ロシア語、中国語です。
 日本は痘瘡根絶のために多額のお金を提供したのですが、痘瘡根絶宣言書に日本語の表記はありません。同様にドイツ語やイタリア語の表記もありません。根絶計画の功績に関係なく、第二次世界大戦の敗戦国の言語は表記されませんでした。現在も日本語、ドイツ語、イタリア語は世界公式言語の扱いを受けていません。

 いつの日か日本語が世界の公式書類に記載されるよう願いたいものです。

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