2017-06

トキソプラズマとL-dopa(レボドパ)

 前項で、トキソプラズマ原虫はヒトの中枢神経で神経伝達物質となるドーパミンの前駆体であるL-dopa(レボドパ)を生成する遺伝子を有すると書きました。

 L-dopa(L-Dihydroxyphenylalanine)はアミノ酸のひとつであるチロシンから合成され、さらにドーパミンへと変化する物質です。
 なお、パーキンソン病は中枢神経でドーパミンの不足(アセチルコリンの相対的増加)が原因で、安静時振戦、筋固縮、無動・寡動、姿勢保持反射異常を呈する疾患です。

 さらにドーパミンからはノルアドレナリンやアドレナリンが合成されます。ドーパミン、ノルアドレナリン、アドレナリンは基本骨格にカテコールとアミンを有するため、まとめてカテコールアミンと呼ばれています。

L-dopa Toxo

 カテコールアミン(ドーパミン、ノルアドレナリン、アドレナリン)は血液脳関門を通過しないので、末梢で産生・投与されたカテコールアミンは末梢でのみ作用します。
 しかし、レボドパは血液脳関門を通過し、脳内で作用します。(よってレボドパはパーキンソン病治療薬となっています。)

 話を戻して、トキソプラズマ原虫(Toxo)は中枢神経に侵入し、しかもレボドパの産生に関わる遺伝子を有しています。
 Toxo の感染による脳内ドーパミン量の変化とその影響が注目されています。
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