2017-10

TORCH症候群

 先天性感染症の胎児は原因となる微生物の種類に限らず、流産、子宮内胎児発育遅延、胎児腹水、肝脾腫、黄疸、出血斑、小頭症、脳内石灰化、水頭症といった共通した症候を示すことが多いです。

 このような先天性感染症の症候を示す疾患については TORCH 症候群としてまとめられています。TORCH の由来となる病原体を並べると・・・
T:Toxoplasma godii(トキソプラズマ; 原虫)
O:Others(その他)
R:Rubella virus(風疹ウイルス)
C:Cytomegalovirus(サイトメガロウイルス)
H:Herpes simplex virus(単純ヘルペスウイルス)

Others(その他)に含まれるものには
梅毒トレポネーマ、水痘・帯状疱疹ウイルス、Epstein-Barr ウイルス、パルボウイルスB19、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)、ヘパドナウイルス(B型肝炎ウイルス)などがあります。

 一般的に Torch(トーチ)といえばたいまつ(松明)のことです。
 医学生の頃、たいまつで胎児が火あぶりされている状態(疾患)を想像させる図説を見せられていました。

 十数年前に私が学会・研究会等において先天性ウイルス感染症のマルチ診断法について発表したところ、『有効な治療法が確立していないのにどうするつもりなんだ。ガスリー法で判明する疾患とは訳が違う。これらの診断法を導入するのは時期早々だ。』との意見が厚生労働省関係者から出ました。
 しかし、まずは診断方法を確立し、産科・小児科医に情報提供をして、妊婦さんへ感染予防のための啓蒙を行うことが大事だったのではないでしょうか。

 数年前から厚生労働省から先天性感染症に関する科学研究費が出ています。また、最近は胎内感染・周産期感染にマスコミが注目するようになりました。以前から先天性感染症を診断してきた者にとっては、ここまで来たことに感慨深いです。

 先天性トキソプラズマ&サイトメガロウイルス感染症 患者会 「トーチの会」が立ち上がっています。未来の希望を照らすトーチとなりますよう期待しています
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