2017-10

抗サイトメガロウイルス薬の作用機序

 抗サイトメガロウイルス(CMV)化学療法剤として、ガンシクロビル (Ganciclovir: GCV)、バルガンシクロビル(Valganciclovir: VGCV)、シドホビル (Cidofovir: CDV)、ホスカルネット (Foscarnet: FOS) の4薬が欧米で用いられ、本邦ではGCV、VGCVとFOSの3薬が保険認可されています。これらの抗CMV薬はすべてCMVのDNA合成酵素(DNAポリメラーゼ)阻害作用により効果を発揮します。

(↓ クリックで拡大)
抗CMV薬

 VGCVはGCVにアミノ酸のバリンが結合させて経口吸収率が高められており、吸収後は速やかにGCVに変換されるプロドラッグです。よって、VGCVの作用機序や効能はGCVと同じです。

 GCV (VGCV) と CDV はCMV DNA合成酵素の基質であるデオキシヌクレオシド三リン酸(dNTP)と競合的に拮抗することによって、CMV DNAの伸長を阻害します。

 GCVはグアノシンのアナログで、CMVゲノムのUL97遺伝子産物であるホスホトランスフェラーゼ (リン酸基転移酵素) によって1リン酸化され、細胞のリン酸化酵素によって最終的に3リン酸となり、CMVのDNAポリメラーゼ (UL54遺伝子産物) を阻害します。

 CDVはヌクレオチド (シチジル酸) のアナログで既にリン酸基を1個持っています。CDVではホスホトランスフェラーゼを必要とせず、細胞のリン酸化酵素によって2個のリン酸基が付加され、CMVのDNAポリメラーゼを阻害します。

 一方、FOSはピロリン酸のアナログであり、CMV DNAポリメラーゼのピロリン酸結合部位に直接作用して、その活性を抑制します。
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