2017-06

ウイルスと宿主の関係は寄生なのか(2)?

 細胞変性効果(CPE)に細胞融合(合胞体化)があります(http://aisenkaicdc.blog.fc2.com/blog-entry-4.html)。
ヒトの体で細胞融合しながら合胞体を形成する組織があり、そのひとつが胎盤です。

 胎盤は母親から胎児に栄養分や酸素を送る組織です。でも、母親の血液と胎児の血液は混ざりません。もし、両者の血液が混じると、母親の生体防御反応によって胎児は傷害されてしまいます。母親の免疫担当細胞を胎児側に侵入させることなく、栄養分を通過させる細胞が胎盤には必要です。この役割を担うのが胎盤の合胞体栄養膜細胞です。

 合胞体栄養膜細胞における細胞融合にはウイルス由来の遺伝子が関与することが判明しています。つまり、哺乳類はウイルス遺伝子を獲得したことで、胎児を子宮で育てることができるわけです。
 哺乳類に限らず、脊椎動物はウイルスの遺伝子を取り込みながら多様化してきました。宿主とウイルス粒子の関係は寄生でも、ウイルス遺伝子とは相利共生の関係が成立しうるといえます。

 さらに詳しいことを知りたい方は、内在性レトロウイルス(Endogenous Retrovirus : ERV)を調べてみてください。
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