2014-12

サイトメガロウイルス抗体検査における保険診療と問題点

 保険診療において、ウイルス抗体価検査料金は原則的に以下のようになっています。

1. 同一ウイルスについてIgG抗体価およびIgM抗体を測定した場合は、いずれか一方の点数を算定する。
2. 免疫グロブリンクラス別ウイルス抗体検査と定性・半定量・定量ウイルス抗体価検査 (例として補体結合反応法:CF法) を合わせて測定した場合、いずれか一方の点数を算定する。

 ということで、抗サイトメガロウイルスの抗体検査において、
1) IgM抗体とIgG 抗体を同時に測定した場合は、どちらかの検査料金が自費扱いになります (EIA法によるIgM抗体検査とIgG 抗体検査の料金は同額です)。
2) CF法の抗体検査とIgM抗体あるいはIgG抗体検査を実施した場合は、通常は検査費用が安いCF法測定分を自費請求されます。

 ちなみにCMV抗体検査の実施判断保険点数は、EIA法による抗サイトメガロウイルスIgG抗体測定およびIgM抗体測定がそれぞれ230点(2300円、3割負担で690円)。CF法の保険点数は79点(790円、3割負担で237円)です。

サイトメガロウイルス抗体検査において、初感染の可能性があるのか、最近の抗原刺激(活動的な感染状態)があったかなどを判断するためには、IgG 抗体とIgM抗体を同時測定することが望ましいです。しかし、IgG 抗体とIgM抗体の同時測定は保険診療として認められておらず、2300円分の被検者負担金が生じてしまうことになります。

サイトメガロウイルスに限らず、先天性感染症(特にTORCH症候群)に関して、妊婦様の検査負担金が安くなるような保険検査制度を望んでいます。

インフルエンザ対策ポスター

 厚生労働省インフルエンザ対策の啓発ポスターにおいて、マメゾウくん&アズキちゃんの登場で 『まめにマスク、まめに手洗い』が合い言葉になりました。このポスターに『うがい』を推奨する言葉はありません。愛知県の健康づくり応援イメージキャラクター、エアフィーはうがいのキャラクターなのですが、愛知県のポスター標語にすら『うがい』の文字はありません。

インフル対策ポスター

インフル対策 愛知H25年



 インフルエンザの検査で綿棒を鼻腔に突っ込まれてウイルス抗原検査を行なった経験がある方も多いかと思います。すなわち、インフルエンザウイルスは主に鼻腔に感染しています。加えて、インフルエンザウイルスは鼻腔粘膜に吸着後、すばやく細胞の中に侵入します。

 普通のうがいで鼻腔の奥まで洗浄しているでしょうか? また、ウイルスが細胞に吸着してから細胞内に侵入しする前に、頻回に(約20分ごとに)うがいを行なえているでしょうか?

 『うがい』によって口腔内の細菌の希釈洗浄ができ、インフルエンザウイルスを活性化するプロテアーゼが減少するといった報告はあります。しかし、インフルエンザウイルスが感染するのは、口腔だけに限らず、うがい液が通常は到達しない鼻腔深部です。
 やはり、うがいよりも、手洗い・マスク・咳エチケットによる対策を実施した方が感染予防効果は高いようです。

 目くじらたてて、うがいを否定してるわけではありません。うがいを行なうと口腔内の細菌やプロテアーゼの希釈はできますし、喉の気持ちも良くなります。

 ただし、インフルエンザ対策として、手洗い・マスク・咳エチケットがより大切だということを、ポスターで感じてもらいたいと思います。

http://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou01/dl/inful-poster25c.pdf

«  | ホーム |  »

プロフィール

アウルの目

Author:アウルの目
Author名の由来
峰松俊夫 (ウイルス学)
Facebook
愛泉会日南病院
厚労科研費研究
日本医療研究開発機構

最新記事

最新コメント

最新トラックバック

月別アーカイブ

カテゴリ

CMV (31)
ヘルペスウイルス (5)
先天性感染症 (14)
トキソプラズマ (2)
微生物学 (22)
ウイルス (17)
病院/研究所 (8)
未分類 (14)
ワクチン (3)
備忘録 (1)
検査 (3)

検索フォーム

RSSリンクの表示

リンク

このブログをリンクに追加する

ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード

QR