2017-11

水痘ワクチン

水痘(みずぼうそう)のワクチンが10月から定期接種化される予定です。

 世界的に使用されているこのワクチンは、大阪大学名誉教授の故 高橋理明先生が開発した日本原産の生ワクチンです。

 一般的に、生ワクチンは(病原体が生きているために)白血病などの免疫不全者には接種されません。しかし、水痘ワクチンは弱毒化が進んでおり、免疫不全患者にも接種でき、しかも免疫を残せるというすぐれたワクチンです。
 すなわち、白血病患者、悪性腫瘍患者、ネフローゼ症候群、気管支喘息、アトピー性皮膚炎などの易感染性の方に、むしろ優先して接種すべきワクチンなのです。

 水痘ワクチンの説明書の接種対象者の欄をご確認ください。
http://www.biken.or.jp/medical/product/images/fa-v/document.pdf

 高橋先生の功績については、世界のウイルス学者が
Dr. Takahashi’s is “the only vaccine successful against any of the human herpes viruses.”
(ヒトのヘルペスウイルスに効果を示すワクチンにおいて、高橋博士が開発したワクチンが唯一成功したものである)と認めています。

 開発者の高橋先生は昨年の12月16日にお亡くなりになりました。厚生労働省の専門家会議で水痘(小児用)ワクチンを定期接種にすることを決めたのは今年1月15日。高橋先生の墓前に良い知らせを届けられたと思います。

インフルエンザワクチン

 インフルエンザ対策として、今年も本病院職員へのワクチン接種(基本全職員対象)が始まりました。

今年度(2013/2014冬)のインフルエンザワクチンの株は
A/California(カリフォルニア)/7/2009 (X-179A) (H1N1)pdm09
A/Texas(テキサス)/50/2012 (X-223) (H3N2)
B/Massachusetts(マサチューセッツ)/2/2012(BX-51B)(山形系統)

ちなみに、昨年度(2012/2013冬)のワクチン株は
A/California(カリフォルニア)/7/2009(H1N1)pdm09
A/Victoria(ビクトリア)/361/2011(H3N2)
B/Wisconsin(ウイスコンシン)/01/2010(山形系統)


 A香港型(H3N2)とB型のワクチン株が昨年度のものとは異なっています。

 A香港型(H3N2)株においては、鶏卵でウイルスを増殖させたビクトリア株の抗原性が流行株のものと離れていました。そこで、鶏卵で増殖させても流行株との抗原性が似ているテキサス株に変更されました。

 また、B型に関しては、流行株自体が昨年度からかなり変わってきたとの判断で変更されました。昨年度のウイスコンシン株はクレード3、今年度のマサチューセッツ株はクレード2に分類される株です。B型株といえど抗原的に別物と考えた方が良いです。

 日本のインフルエンザワクチンはA型2株B型1株の3価ワクチンなのですが、米国ではA型2株B型2株の4価のものも販売されています。

風しんワクチンのこと

 MRワクチンの原価は6,000円くらい、それに初診料や手技料もろもろを含めると通常 9,000円くらいです。それ以上の費用がかかる医療施設もあります(行政からのワクチン接種料金助成が無い場合。もちろん自費です)。
 風疹や先天性風疹症候群への理解度もさることながら、個人負担費用の壁はやはり大きいと感じます。

 さて、私の職場で全職員の抗体力価を測定したころ、約1/4の職員が抗体陰性あるいは低力価抗体価でした(職員の年齢的に予想通りの結果)。

 ニュース報道だけでは理解し難いところがあるようなので、風疹・先天性風新症候群を理解してもらう説明会を行ったりしました。また、風疹ワクチンを接種しやすいように、ワクチン費用助成の院内起案を作りました。
 これで、どれだけの接種率向上につながなるでしょうか? 高接種率に期待したいです。


(以下、私見ということで・・・)

 前述しましたが、MRワクチン接種を行政が費用助成しているところがあります。
 しかし、Rワクチン(麻疹抗原が入っていない、風疹のみのワクチン)に対しては助成対象となっていない行政が多いです。

 MRワクチンの原価は6,000円くらい。Rワクチンの原価はMRの半額 (2,800円)くらいです。

 現在はMRワクチンが流通していますが、今後Rワクチンが流通して、Rワクチンを接種できたとしても行政からの助成は受けられないのです。
 行政の予算内で多くの人に接種することを考えるのなら、Rワクチンのみの場合の費用助成をも計画しておくべきだろうと考えます。

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